高断熱住宅を建てるために

年々寒いのが苦手になってきたリーマンペンギンです。暖かで快適な住宅は、住宅を購入する多くの人が求めると思います。家づくりを始めた頃は現代の住宅ならどこで作っても暖かい家になると思っていました。

しかし実際に断熱性能を勉強するとそうでは無さそうということがわかってきました。その中で断熱性能を表す重要な指標があります。それがUA値です。難しい数値や数式が苦手な方でも、断熱性能できるだけ分かりやすく説明したいと思います。

UA値(外皮平均熱貫流率)について

Ua値は次の式で導かられる計算値です。

UA値[W/K・m2]=建物が損失する熱量の合計[W/K]/外皮面積 [m2]

建物が損失する熱量の合計とは、家全体から外に逃げていく熱のことです。外皮面積とは、壁・床・屋根など外と接している部分のことです。

家全体から逃げていく熱を外と接している部分の面積で割っていますので、外と接している部分の面積1m2当たりで家から外に逃げていく熱の量のことを指しています。つまり、熱の逃げやすさについて定義した数値ということです。UA値は小さければ小さほど逃げる熱量が小さいので、寒くなりにくいことを示します。

では、この値について細かい解説です。

目指すべきUA値は?

日本は南北に長く北海道と沖縄では大きく気候が異なります。そのため日本を8つ地域に分けて考えます。ちなみに私の住んでいる地域は6地域で比較的温暖なところです。とは言ってもやはり冬は寒いです…。

図1. 省エネ基準地域区分

次にUa値はいくつかのグレードに分かれています。よく耳にするZEH(ゼッチ)もUa値の基準があります。私は当初ZEH基準を満たしていれば良いのかなと漠然思っていました。そしてそれ以上のグレードが存在することすらも知りませんでした。(下記の図では平成25年省エネ基準の断熱等級4以下は省略しております。)Heat20なんて全く知りませんでした。というか家を建てた経験がある私の会社の先輩たちは誰も知らなかったです。Heat20は住宅の高断熱化を研究する民間団体です。現在Ua値で最高グレードとなるのは、Heat20 G3というグレードです。

図2. Ua値のグレード

それぞれの地域区分でUa値グレードに該当するUa値が異なる仕組みになっています。それを以下の表にまとめました。私は6地域に住んでいますが、最初良いと思っていたZEH基準は、このUa値グレードで最高のHEAT20 G3とは約2倍の性能差があるということになります。

HEAT20
G3
HEAT20
G2
ZEH+HEAT20
G1
ZEHH25省エネ
断熱等級4
1・2地域0.200.280.30.340.40.46
3地域0.200.280.40.380.50.56
4地域0.230.340.40.460.60.75
5地域0.230.340.40.480.60.87
6・7地域0.260.460.50.560.60.87
8地域
表1. 地域別のUa値グレードについて

では、どのUa値にするべきなのか?私はHeat20 G2相当を目指しました。Ua値を下げて行けば、当然コストが嵩みます。一方で年間の冷暖房費が下がります。建築コストの増加分と年間の冷暖房費の減少分がうまくペイできる、または個人が納得できるラインを探すのが良いかと思います。そしてそれがそれぞれの答えなのだと思います。Ua値の計算と年間冷暖房費はソフトウェアで計算することができます。それぞれの戸建てで詳細に計算してくれる親身な工務店だと良いのですが…すべての会社が対応してくれるわけではないと思います。モデルケースとしてユーチューブに上がっている動画を参考にするのも良いと思います。

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