我が家のポストに投函されてくる注文住宅のチラシにも高断熱・高気密というワードがよく出てきます。高断熱といってもどうすれば高断熱な住宅になるのか?という疑問や心配している方に、高断熱住宅について解説していきます。
この記事では高断熱にするための断熱材の種類について解説します。まだまだ寒い日が続きます…。寒いアパート暮らしから脱出したい一心で更新中です。
住宅を高断熱化するためには大きく分けて2つの手法があります。
- 断熱材を厚くする、断熱材の性能を上げる。
- 開口部(窓)を減らす、窓の性能を上げる。
1.家を暖かくするためには、家と外気が接している面で家の中の熱を逃さないことが重要です。外気と接している壁の中には断熱材というものが入っていて、家の中の熱を外に逃げにくくしています。その断熱材の性能を上げるか、もしくは断熱材の厚みそのものを厚くしてあげることで、熱が逃げづらくなります。
2.住宅には窓がありますが、極論を言ってしまうと窓は壁に穴が空いているようなものです。熱を逃さないという点から言うと窓は圧倒的に不利になります。だた単純に断熱のために窓を減らすと言っても、窓には換気、採光、眺望などの他の目的がありますし、建築基準法で人の住む空間に必要な窓の面積は決まっています。不要な窓を無くし、必要な窓は性能をあげることで、熱が逃げづらくなります。
今回は1の断熱材について解説をします。
断熱材の性能を示すものとして、熱伝導率というものがあります。熱伝導率は高ければ高いほど熱を伝えやすいという指標で、断熱材としては熱伝導率が低いほど高性能ということになります。
主な断熱材と熱伝導率の一覧を以下に示します。
(引用元) https://www.jfe-rockfiber.co.jp/img/catalog/sec10.pdf
- グラスウール:0.040〜0.050
- ロックウール:0.039〜0.064
- セルロースナノファイバー:0.040
- ウレタンフォーム0.023〜0.040
- ポリスチレンフォーム:0.028〜0.040
- フェノールフォーム:0.022
さまざまな断熱材がありますが、この中で最も熱伝導率が低いのはフェノールフォームになります。では高断熱住宅にするためには、フェノールフォームを選んでおけば良いという訳でもありません。また「うちはフェノールフォームを使っているから高断熱住宅です!」といった営業トークにも騙されないように注意してください。熱の伝わりやすさは、熱伝導率と断熱材の厚みによって決まります。断熱材の厚みが厚ければ厚いほど熱が伝わりにくい=熱が逃げにくいです。
つまり熱伝導率が低い材質を使った場合でも、厚みをもたせて上げれば断熱性能は上がります。一方でいくら熱伝導率の低い断熱材を使った場合でも、厚みが薄ければ住宅の性能は落ちます。
私の意見としては断熱材は何を使っても良いと思います。それぞれの工務店、ハウスメーカーが推している断熱材があり、他の断熱材よりも優れているとアピールしてくる場合があります。断熱性能という観点のみから見ると、何を使っても厚みと熱伝導率によって熱の伝わりやすさは決まるため、素材そのものを比較してもあまり意味がありません。ただ湿気に弱いとか、熱に弱いとか耐久性という観点ではそれぞれ特徴があるので、断熱材を選ぶ際にはそちらを気にした方が良いかと思います。
そして後はコストバランスです。基本的に熱伝導率の低い(性能の高い)断熱材は高く、熱伝導率の高い(性能の悪い)断熱材は安いです。同じ断熱性能を出そうとしたときに、コストがどうなるのか?を意識して選定するのが良いと思います。